照明 Lighting
仕事の流れ

1.持ち込み機材の搬入
   ↓
2.使わない小屋照明を外し、持ち込み機材をサスと呼ぶバトンに吊り込む。
   (それなりに力仕事)
   ↓
3.色を使う灯具にカラーフィルターを挟んだシートを差し込む
   ↓
4.電源を生かして仮シュートをする
   ↓
5.舞台タッパが決まったら、回路ごとにシュートする
   (場面数によっては2〜3時間くらい掛かります)
   ↓
6.操作卓への場面の記憶(メモリー)作業
   (実際の場面を作って記憶させる
    :何十個もある回路を本番で操作するのは手作業では間に合わないですから・・)


光の基礎

光には三原色が有ります。R(レッド)・G(グリーン)・B(ブルー)です。
色を付けると言っても、ちゃんと理解すると光の色は波長が関係しています。
何色(どの波長)を通過させるか・・!?
カラーフィルターと呼ぶ色シートを使います。
三原色を使うと白い光も出来ます。中間色もそれぞれの光の強さを調整する事で可能になります。
残念ながら、金色・銀色・グレー・茶色はたぶん作れません・・・


照明さん用語

・サス・・・・・舞台機構には美術バトン(ただの鉄のパイプ)と
        電源が引いてあり、照明が吊り込めるサスがあります。
        前から順に、1サス、2サス、3サス、4サスとなります。

・色ゼラ・・・・耐熱のポリカラーフィルタ。以前はゼラチンをフィルム状にして使用していました。
        名前の由来はその為でしょう。
        現在はポリカーボネートが一般的でウルトラカラーやポリカラーが標準品。

・シュート・・・明かりを合わせる事

・タッパ・・・・高さの事。客席からみた演出上最も見栄えする高さを決めます。

・回路・・・・・家庭にも20A,30A等使える制限が有るように、舞台照明にも有ります。
        ちなみに我々がいる劇場はトータル900A位使え、一回路30Aまでです。
        それらを総称して回路と呼び、「1サスの5番の回路を下さい」などと使います。

・おべた・・・・床置きの照明器具を立てるぺったんこのスタンド

・タッチ・・・・舞台奥の白い幕(ホリゾント幕)や道具のメルハリをつける為に
        柱状に当てたり物に少しだけに当てる照明技法

・ポチ・・・・・犬の名前ではなく、舞台面や後ろのホリゾント幕に「ポチポチ」と照明を散らして当てる照明技法

・ブッチ・・・・前から上からの照明では無く、人物などの奥行き出すために舞台上照明の端っこからナナメに当てる照明技法

・タコ・・・・・同じ電源回路から2、3台使えるようにタコ足のように分かれているケーブル
        音響で言う「パラる」と同じように、照明さんは「タコる」と言います。

・トツ・・・・・凸レンズがついた照明器具。手で触れると丸い感じのレンズです。
        ※手アカが付くので触っちゃダメですよ。

・パーカン・・・PAR64という500w程度の照明器具。電球に直接レンズが付いています。
        点く消えるがとても早いので、切り替えの早い照明操作には使いやすい照明です。
        明かりのピントや大きさは変えられません。

・ゴボ・・・・・ソースフォーやムービングライトに差し込むネタ。
        右の図の要にかなり細かい絵柄を出せます。
        最近はカラー写真も影絵のように差し込み投影出来ます。

・ナナパー・・・色番号78の事。(薄い色で青白い)
        照明器具の前に専用シートに挟んで明かりに赤・緑・青などなどの色を付けます。
        その際、なぜか8を「パー」と呼ぶんです。呼びやすいから??
        86(パーロク:濃い青紫)



照明さんは100台も200台も駆使して場面ごとの明かりを作ります。
操作卓に1人、指示出しに一人、仕込みに2〜10名の大人数で作業しています。
ここ数年は女性の活躍が目立っている気がします・・・

        
PAR64
おべた
GOBO
10 20 30 40 50 60 70 80 0 00
ピンク  赤   橙   黄   緑  青 緑  青   紫  透 明 半透明

色番号