舞台での会話例を少し綴ってみます。
業者さん「おはようございます。」
劇場担当「おはようございます。今日は12尺パネルがあるんですか?」
業者さん「ええ・・シギは持ち込むんですけど、インゴ使ってもいいですか?」
劇場担当「いえ、ウチはインニまでなんですが・・・」
「ロップか何かで支えられませんか?」
業者さん「分かりました。ツナモトへ渡りとって固定します。」
「カミシモに9尺のカガミを使うんですけど、人形用のシズお借りしてもよろしいですか?」
劇場担当「はい、構いません。」
業者さん「あと、ソデはテビキですか?」
劇場担当「電動です。それとモンジは照明とトモヅリなんですが、ナナツリだけがテビキです。」
業者さん「分かりました。では宜しくお願いします。」
劇場担当「また、細かい事は後ほど・・・」
業界の人間は何のことは無い会話でしょう。
しかしこの会話が通じない方ももちろんいらっしゃるハズです。
私も最初は言葉を知らずに??になってました・・・
舞台では長さの表現を、寸尺(すんしゃく)で表します。
※1尺(30.3cm)
それは、舞台機構・道具が寸尺で作られているからです。
劇場が作られてからの歴史をずっと引き継いでいるのでしょう。
舞台で使用する用語をいくつか書いてみます。
・シズ・・・・・・・・・・鉄で出来た重し、カウンターウェイト(吊り物のバランスを取る為に使用します)
・綱元(ツナモト)・・照明や幕・看板などを吊す為のロープ(綱)や重りが設置されている場所(素人さんは立ち入り禁止です)
・タッパ・・・・・・・・・高さの事
・ドロップ・・・・・・・・背景などの絵が描いてある布(大きい物は縦15m×横20m、重さ50kg)
・文字幕(モンジマク)・・舞台上部に吊るしてある。舞台の見た目の高さを制限したり、
照明器具をお客さんから見えないように隠す為の横に長い黒幕
・なぐり・・・・・・・・・金槌(かなづち)
・山台(ひな段)・・・・・平台という木製の板を組み合わせて、舞台面より少し高くする台(コーラスやオーケストラで使用します)
・箱馬(はこうま)・・・・山台の高さをかせぐ為の木の箱(
平台などのサイズはさぶろくやよんろくと言います。
さぶろく(3尺×6尺)は約90cm×180cm
よんろく(4尺×6尺)は約120cm×180cm
ろくろく(6尺×6尺)は約180cm×180cm
高さに関しても・・・尺高(しゃくだか)は約30cm高く【箱馬を寝かして使用】
尺4寸(しゃくよんすん)は約40cm【箱馬を立てて使用】
平台(3尺×6尺)
箱馬
つかみ